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ゆびわ

ダイブ界には全く人気のない植物園があります。

私と蓮川はそこが好きで、しばしば訪れてはのんびりとどうでもいい話をします。

ある雨の日。

温室に併設された喫茶店で、ふと蓮川が小さな白い箱を机の上に置きました。

中身は、マット加工のされたシンプルな造形の銀の指輪でした。

 

「なんの記念?」

「記念がないとプレゼントしちゃダメなの?」

 

プレゼントは嬉しかったのですが、それを現実に持ち帰ることはできないのでどうしようか悩みました。

結局その指輪は蓮川に返して、現実で似たデザインのものを買うことにしました。

「…あれ、結局私がお金を払うんだからプレゼントになっていないのでは…?」と気づいたのですが、プレゼントをしてくれたという事実が大事なんだと自分に言い聞かせることにしました。

蓮川が買ったのは私ひとり分ですが、結果的にお揃いみたいになってそれはそれでよかったかなあと思います。

 

日常使いしやすいのでここ最近そればかりつけています。

ふと目に入った時になんだかうれしくなるし、蓮川の友人としてちゃんとしなきゃなと背筋をしゃんとしてしまいます。

 

蓮川と私の関係は所謂友達とは少し違っていて、家族兼恋人兼友人のような不思議な距離感なので、なんと形容したら適切なのかわかりません。

恋人はちょっと言い過ぎですけど…指輪を送りあったり同じベッドで寝ても違和感を感じないぐらいの関係です。

ちょっと気持ち悪いくらい仲が良すぎる兄妹……みたいな……

気の合う友達であり、自分自身の別の側面でもあり、もしかしたら立場が逆だったかもしれない存在でもあります。

わざわざ定義する必要はないかなと思っていたのですが、文章に起こす際に悩みますね。

 

▷会話メモ

・煙草

う「煙草、別にベランダで吸わなくてもいいのに」

「え?……あ、そっか」

「寒いでしょ」

「でもなんか部屋で吸うのは変な感じがするし……それにうるうの横で吸うのはやだ」

「副流煙も匂いもないのに」

「分かってるけどなんかやだよ」

「べつに私はいいよ」

「俺はやだ」

「あ!あれやってあれ。前から思ってたんだけど、煙を顔に吹きかけるやつ一度やってみてほしかったんだよね」

「絶対やだ」

 

・バレンタイン

う「今年はどうしようかなぁ、バレンタイン」

「俺は作るよ」

「蓮川さん手作りなの?というか誰に渡すの?」

「担当さんと、ラーメン屋のおじさんと、喫茶店の店主さんとバイトの女の子と、地元の友達」

「反応と扱いに困りそう」

「……え、ほんと?」

「困るでしょ……」

「だから毎年変な空気になってたのか……」

「……」

「……俺なんて生まれてこなきゃよかった」

「生みの親の前でそれ言う?」

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